トップページ > 【味噌について】無添加味噌の特徴
無添加みそとは大豆、米または麦、食塩という原材料以外の製造物を食品添加物も含め一切含まない味噌の事です。
味噌は酵母菌や乳酸菌などが生きているため、袋やカップで密閉すると容器の中で再発酵し、炭酸ガスを出して膨らんでしまいます。腐った訳ではありませんし発酵熟成している証拠ではありますが商品価値が落ちてしまいます。これを防ぐのに用いられたのが酒精(エチルアルコール)です。
酵母菌は酒造りで知られるように自らエチルアルコールを生産します。
信州タイプの味噌では2%くらいまでのエチルアルコールを自然に生産します。酵母菌はある程度のエチルアルコールがあるとそれ以上は発酵を休止することを利用して少量加える事で膨らむのを抑えるのです。殺菌して殺すのとは少し異なります。
このエチルアルコールも食品添加物と考えられるので、自分で生成した以上のエチルアルコールを加えると無添加とは言えない事になります。業界では培養した酵母は添加物とは考えません。ただし酵母を何の栄養で培養するかが大事です。信州では無添加味噌を薄めた液で培養しています。
無添加みそはエチルアルコールも加えない事を売りにした差別化戦略から生まれた商品と言えます。容器内に発生する炭酸ガスを排出しながらも、味噌の色を悪くする酸素を含んだ外気は入れない逆止弁構造をもったバルブを取り付ける事でエチルアルコールを加えずに常温流通できる包装が開発される事で無添加を表示できるようになったのです。
砂糖キビから発酵でつくられるエチルアルコールを使用する限り、味噌の安全性に関して大きな問題はないと考えます。味噌自体でエチルアルコールは生産されますし、添加される物も通常私たちが飲む甲種焼酎と同じ製法だからです。そして味噌汁にする過程でエチルアルコールはほとんど揮発してしまいます。
喜多屋が無添加味噌を作るのは、アルコールを入れない事よりアルコールを加える工程で味噌を機械で撹拌する事が風味に違いが出ると考えるからです。それは良くも悪くも、です。麹の粒などは酵素の作用で溶け始め、機械を少しでも通すと潰れてしまいます。
粒がごそごそしていると感じる方もいるかと思いますが、無添加でそっと取り出す事で桶から堀り出したての食感のままでお届け出来るのです。